YAESU FT-817
(Vertext-Standard FT-817)
[FT Eight-Seventeen]

HF/VHF/UHF All Mode Transceiver

HF/50/144/430MHz帯
オールモードポータブルトランシーバー

CONTENTS … もくじ
Introduction … はじめに
FT-817 vs. FT-817ND … FT-817とFT-817NDの違い
Frequency Mods … 送受信範囲拡張改造
RF Power Adjustment … 送信出力調整
Power Supply Voltage Display Adjustment … 電源電圧表示調整
Repair … 修理(ドライバ交換、エンコーダー交換)
Tips … 使い方のヒント
Links & References … リンク集


Introduction 〜はじめに〜

 2001年1月に入手したFT-817、諸般の事情により手放してしまいましたが(2004年4月)、再度入手しました(2006年2月・中古品)。以前は純正CWフィルタ(500Hz)を装着していましたが、今回はメインの無線機として使うつもりはないので、中古で入手し、オプションは一切追加していません。
→再度手放しました(2016年1月)。

 このページは、2台目のFT-817を、より使いやすいように行った改造や調整、修理、その他のメモを備忘録として残したものです。

 

改造は自己責任で 〜MODIFY AT YOUR OWN RISK〜

 ハードウェアの改造及びソフトウェアメニュー(調整モード)の変更は自己責任でお願いいたします。このサイトをご覧になって同様の改造・変更をなさった場合、八重洲無線株式会社のサポートが受けられるとは限りませんし、なんらかの損害・怪我等が発生しても、筆者は責任を負いません。


FT-817 vs. FT-817ND 〜FT-817とFT-817NDの違い〜

 目に見える大きな違いは、FT-817では別売となっていた充電器/バッテリーが付属することと、ディスプレイの色が2色から3色になったことでしょうか。技適番号やシリアルナンバーが書かれているシールの位置も変わりました。バッテリーはNi-Cd 1000mAh (FNB-72)からNi-MH 1400mAh (FNB-85)に強化されています。細かいところでは、確かFT-817にはなかったと思いますがFT-817NDにはゴム足が付属しています。

 ゼネカバ送信の改造方法がソフトからハードに変わったようです。海外向けモデルでは、US向けは60mバンドが追加になりました。

 日本向けのFT-817NDの受信バンドは、取説に記載されている仕様では108MHz以上はFT-817の受信改造済みと同じ周波数範囲となっています。実際には30-50MHzも受信できますので、FT-817の受信改造済みと同じです(2016年モデルで確認)。

 内部的には、FT-817NDになってからも回路は改良され続けているようです。そういえばFT-817には回路図が付属していたような気がしますが、FT-817NDには無いようです(最初から?途中から?)。

 改良ではなく、劣化したというか無くなった機能もあります。2016年のいつ頃からかはわかりませんが、FM放送帯ではSメーターが動作しなくなっています。下の画像は、左が2013年、右が2016年の取説P.18に記載されている内容です。FMチューナーICがディスコンとなり、替わりに採用したICに信号強度の出力がないために、このような仕様変更をせざるを得なかったようです。また、FT-817と比較するとFT-817ND (2016年)は混変調に弱いようです。ただしその分感度は良いようで、TECSUN PL-310ET (DSPラジオ)やPL-450等のBCLラジオと比較すると、BCLラジオで聞こえないコミュニティFMがFT-817ND (2016年)ではよく聞こえています(同じアンテナを使用)。

 FT-817NDの途中から(?)キージャックの色が赤から黒に変わっています。

 充電器はFT-817NDの途中まではどちらもNC-72Aだったと思いますが、PA-48Aに変わっています。

 外部電源ケーブル(E-DC-6)は、FT-817はプラス側が赤のラインでジャックの先端まで金属でしたが、FT-817NDでは最初からなのか途中からなのかわかりませんが(少なくとも2016年モデルでは)プラス側が白の点線でジャックの先端はプラスティックで保護してあるタイプです(どちらもケーブル自体の色は黒で、線が入っていない黒だけのほうがマイナス)。先端がプラスティックになったためか、FT-817では使えませんでした(ということはジャック側も変更されているはず)。

※間違っている箇所がありましたら、ご指摘お願いします。


Frequency Mods 〜送受信範囲拡張改造〜

受信範囲拡張

 2台目のFT-817は受信改造済みでしたので(そんな話は聞いていない…)、自分では特に何もしていません。改造方法は、操作パネルの基板の裏側(本体側に面する方)、ロータリーエンコーダーの上、右から4つめのチップ抵抗を外して、リセット([F]と[V/M]を押しながら電源ON)すればOKのはずです(リセット時は設定値がクリアされるので要注意)。

受信範囲(MHz)
定格
改造後
0.1〜30
0.1〜33
50〜54
33〜56
76〜108
76〜108
-
108〜137
144〜146
137〜154
430〜440
420〜470

 76〜108MHzはWFMしか受信できない仕様ですが、それは改造しても変わりません。

送信範囲拡張

 FT-817が発売開始された頃は7MHz帯はまだ7.000〜7.100MHzでしたので、7.100〜7.200MHzの送信が出来ませんが、操作パネルの基板のチップ抵抗を外すことで送信できるようになります。右から5つめ、というか9つ並んでいますので真ん中のチップ抵抗です。あとはリセット([F]と[V/M]を押しながら電源ON)すれば7.100MHz以上も送信可能になります。7MHz帯だけでなく、HFの各バンドは500kHzの倍数の幅になりますので、オフバンドには十分注意が必要です。

送信範囲(MHz)
バンド
定格
改造後
1.8
1.81000〜1.82500
1.80000〜2.00000
1.90750〜1.91250
3.5
3.50000〜3.57500
3.50000〜4.00000
3.8
3.74700〜3.75400
3.79100〜3.80500
7
7.00000〜7.10000
7.00000〜7.50000
10
10.10000〜10.15000
10.00000〜10.50000
14
14.00000〜14.35000
14.00000〜14.50000
18
18.06800〜18.16800
18.00000〜18.50000
21
21.00000〜21.45000
21.00000〜21.50000
24
24.89000〜24.99000
24.50000〜25.00000
28
28.00000〜29.70000
28.00000〜30.00000
50
50.00000〜54.00000
50.00000〜54.00000
144
144.00000〜146.00000
144.00000〜146.00000
430
430.00000〜440.00000
430.00000〜440.00000

※この改造を行うと保証認定が必要です。


RF Power Adjustment 〜送信出力調整〜

 仕様では13.8V供給時、HI=5W(約1.5W)、L3=2.5W(0.7W)、L2=1W(0.5W)、L1=0.5W(0.5W)となっています(括弧内はAMモード)が、2台目のFT-817はHFでは全体的にパワーが出すぎていましたので調整することにしました。

 サービスマニュアル(Technical Supplement)を見ると、HI=5W+/-0.1W、L3=2.5W+/-0.2W、L2=1W+/-0.2W、L1=0.5W+/-0.1Wに調整するように指示してありますので、ダミーロードとパワー計を使って、大体そのような数値になるようにソフトウェアメニューの値を変更しました。

Software Menu (Alignment Mode)

※取扱説明書に掲載されていない操作のため、なんらかの損害が発生しても筆者は何の責任も負いません。

 ソフトウェアメニュー(調整モード)に入るためには[A][B][C]を押しながら電源を入れます。SELで項目を選択、DIALで値を選択します。最後に[F]を0.5秒以上長く押すと、値を保存してソフトウェアメニューから抜けます。

 送信出力の調整はNo.24〜47を使用します(設定値については個体差がありますので、ここには記載しません)。

RF Power Adjustment

No.
Item
MHz
24
HF1-HI
1.9
25
HF1-L3
26
HF1-L2

27

HF1-L1
28
HF2-HI
7
(3.5〜10)
29
HF2-L3
30
HF2-L2
31
HF2-L1
32
HF3-HI
21
(14〜28)
33
HF3-L3
34
HF3-L2
35
HF3-L1
36
50M-HI
50
37
50M-L3
38
50M-L2
39
50M-L1
40
VHF-HI
144
41
VHF-L3
42
VHF-L2
43
VHF-L1
44
UHF-HI
430
45
UHF-L3
46
UHF-L2
47
UHF-L1



Power Supply Volatage Display Adjustment 〜電源電圧表示調整〜

 2台目のFT-817は、電源電圧の表示が2Vほど高めになっていましたので調整しました。

 13.8Vを供給して、ソフトウェアメニューに入ります。17 VCCを選択して138 (13.8V)になっていることを確認します。そしてFキー長押し。これで調整完了です。


Repair 〜修理〜

パワーが出ない … ドライバ交換

 気が付くとパワーが出なくなっていました。調べてみるとFT-817/NDでパワーが出なくなる原因は
・ファイナル(2SK2975×2またはRD07MVS1×2)が飛んだ
・ドライバ(2SK2973×2またはRD01MUS1×2)が飛んだ
・チップヒューズが切れた
という ものが多いようです。

 ネットで見る画像では、ドライバ/ファイナルどちらが飛んだ場合でも破損しているように見えます。でも私の817は見た目は問題なさそうです。とりあえずファイナルアンプ基板をスルーしてみましたが、パワー計はピクリとも動きません。たぶんドライバだろうなと適当に予想し、ラジオハウスから「FT-817のドライバ」と書いてあるRD01MUS1を2個購入しました(1個143円、税・送料込みで514円)。

 取り外しに苦労したのですが、なんとか交換してパワーを測ってみると、2Wほど出ていました。ファイナルアンプを付けて、無事復活しました。

2015年3月修理

エンコーダーのシャフト抜け … ロータリーエンコーダー交換

 VFOノブのラバーを外す際に失敗してロータリーエンコーダーのシャフトが抜けてしまいました。調べてみるとFT-817/857でよくある(?)ようで、みなさん自分で修理されています。値段も2k円しないということなので私も自分で交換することにしました。

 ロータリーエンコーダーにはCOPAL RES20D50-201-1Gと書いてあります(ちなみにサービスマニュアルによるとロットによって末尾が-1Dのものもあるようです)。通販で購入しようとしたのですがなかなか取り扱っているショップが見つかりません。以前はマルツで扱っていたようですが今は無い模様。eBayだと7k円以上ととんでもない値段で出ています。まさかディスコンでは…と不安になり日本電産コパル電子株式会社の製品情報を確認すると「ロータリエンコーダ REC / RES」はまだあるようです。カタログPDFを見ると型番の表記が微妙に違います。末尾は-1までしか説明がありません。またDと50の間にハイフンがあります。"RES20D-50-201-1"で検索すると一発でBTOSがヒットしました。1,250円(税別)、送料500円、代引手数料300円(翌日が休日だったので銀行振込より早く発送してもらえるかと思って)、計2,214円(税込)ということなので早速購入しました(即日発送してもらえて翌日には入手できました)。

 届いたエンコーダーにはコネクタがついていませんので、別途入手するか壊れたエンコーダーに付いているものを流用します。手持ちのコネクタはありませんし、エンコーダーの裏蓋(?)は簡単に外れますので、(コネクタ付き)リード線を交換して、修理完了です。

 余談ですが、エンコーダーの交換よりVFOノブの取り外しに苦労しました。「サイズがあう六角レンチがないなぁ」と思っていたのですがよく見えませんがなんとなく形が違うようです。トルクスドライバで試すとあっさり外れました…。

2015年5月修理


Tips 〜使い方のヒント〜

2016年8月更新

素早くメニューモードに入る

 通常は[F]スイッチ長押しでメニューモードに入りますが(確定は[F]スイッチ長押し、キャンセルは[C]キー長押し)、マルチファンクションキー([A][B][C])の長押しでも特定のメニューモードに入ることが可能です。

表示
長押し
CHG
11 BATT-CHG
VOX
51 VOX GAIN
BK
17 CW DELAY
KYR
21 CW SPEED
SSM
43 SCOPE
NAR
38 OP FILTER

4630kHz

 4.630MHzを有効にするには以下の手順を行なう必要があります。

  1. [F]スイッチ長押し後、[SEL]ツマミで"28 EMERGENCY"を選択。
  2. [DIAL]ツマミで"ON"を選択し、[F]スイッチ長押しで確定。
  3. [V/M]スイッチを押して、メモリーを呼び出し、[SEL]ツマミで最後のチャンネルに合わせると"4.630.00"または"EMG"が表示される。
    ※ "34 MEM GROUP"がONの場合はOFFにしておくか、メモリグループを切り替えること。

背面のGND端子

 蝶ネジやローレットねじ/つまみに交換しておくと、ドライバがなくてもアース線を接続できますので便利です。手持ちのローレットねじでは軸が少し長かったので、六角ナットを挟んで軸が余らないようにしました。

わにくちクリップ付きカウンターポイズ

 移動運用時、本体にホイップアンテナをつないでいる場合はカウンターポイズ(1本)を使いますが、わにくちクリップ付きのカウンターポイズをGND端子につなぐと、ワイヤーがひっぱられてもすぐに外れて本体にダメージを与える可能性が低くなります。

マイクでCW

 "36 MIC KEY"の設定で、マイクのUP/DWNスイッチをパドル替わりに使用できます。移動運用で、マイクは持ってきたけれどパドルを忘れた、というような場合に役に立つ機能です。

SPOT機能(CWのゼロイン)

 [HOME]スイッチを長押ししている間、サイドトーン音がでます。受信しているトーンとサイドトーンのピッチを合わせることでゼロインが可能です。

周波数ステップ

 ハンドマイク(MH-31A8J)の[FST]スイッチを併用することで、周波数ステップが変わります。[SEL]ツマミは2倍、[DIAL]ツマミは10倍になります。

IF SHIFT

 パネルに刻印がないので忘れそうですが、[CLAR]スイッチ長押しでON/OFFです。

バッテリーの充電

 FT-817の場合、FNB-72 (Ni-Cd 9.6V 1000mAh)は"11:BATT-CHG"で8時間、FNB-85 (Ni-MH 9.6V 1400mAh)は10時間に設定します。FT-817NDの場合、FNB-72は6時間、FNB-85は8時間に設定します。充電器はNC-72AまたはDC 13.8Vです。
参考:WDXC FAQコーナー

 乾電池ホルダー(FBA-28)に単3Ni-MHを入れて、FT-817本体で充電するには、緑の線をカットすればいいようですが、試していません。ONE-PLUG POWER Plus 2700mAhのマニュアルによると、充電時の電流は13.8Vで180mA、12Vでは100mAだそうです。FT-817のことなのか、FT-817NDのことなのか、はっきりしませんが、WDXCのFAQコーナーの内容からすると、FT-817NDのように思います。いずれにせよ、eneloop (1900mAh)やeneloop pro (2400-2500mAh)を使う場合、充電時間は10時間では足りず、2回充電しないといけません。また、CHG OFFでもトリクル充電するそうですので、本体よりは専用充電器を使ったほうがよさそうです。

IPO ON = PRE AMP OFF

 取説によりますとIPO (Intercept Point Optimization)は、受信部高周波増幅回路の動作を止めるとあります。つまり通常はプリアンプがONの状態で、OFFにするには、IPOをONにするということですね。

ゴム足

 卓上で使う場合はFT-817の底面にゴム足を付けると安定します。と思ったら、FT-817NDの取説(PDF)を見るとゴム足が付属しているんですね。


Links & References 〜リンク集〜

2016年8月更新

 参考にさせていただいているサイトの一部です。

 


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