はじめに
出力調整 (50W / QRP / MAX)
ゼネカバ送信禁止
WARCバンド送信改造
中波帯RF AMP有効化
ハンドマイク改造(MH-31B8をMH-1B8仕様に)
CWフィルター追加
SSB出力コントロール
周波数校正
FC-700
Tips
[Home]
Created: September 2017
Updated: June 2021
開局時の無線機はFT-757SXでした。FC-700を追加したり、パワーアンプユニットをYPA-757に交換して50Wにしたり、18/24MHz送信禁止措置を解除(これはメーカーに対応してもらいました)したりして、使い続けていたのですが、2004年6月、KX1購入の資金にするために手放してしまいました。
先日、TS-430Vを入手したのですが、つい勢いでFT-757SXも手に入れました。QRP用に使うつもりで10W機を選んだのに、手元に届いたFT-757SXを調べてみると、100W改造済み・28MHz帯50W→100W対応済み・ゼネカバ送信可能・18/24MHz帯は送信禁止のまま、という状態。特にゼネカバ送信とWARCバンド送信不可は気に入らないので早々に対応しました。それも含め、改造・調整について、ここに記録していきます。
※その後、さらに調子に乗って、FT-757GXやFC-757ATも入手しました。
改造・調整は自己責任で
ハードウェアの調整・改造は自己責任でお願いいたします。このサイトをご覧になって同様の対応をなさった場合、メーカーのサポートが受けられるとは限りませんし、なんらかの損害・怪我等が発生しても、筆者は責任を負いません。
[↑]
100W機ですが、まずはパワーを50Wに落としました。下の写真の白いジャンパー用プラグを抜くだけです。保証認定(JARDの基本保証)は、FT-757SX(10W)のパワーアンプユニットを100WのYPA-757に交換したことと取扱説明書に記載されている通り50Wにするためのジャンパー用プラグを抜いたことを書いた文書に、プラグを抜いた状態の写真を貼り付け、そして100W用に修正した送信機系統図を提出しました。これでJARDから保証書を貰うことが出来ました。
出力を50Wに変更しましたが、50W以上の無線機に使用できる電源は手持ちでは30Aのものしかありません。強制空冷でファンの音がうるさいので自然空冷の10Aの安定化電源を使えるように、さらにパワーを落とすことにしました。昔の10W機なら4-5Aの電源が使えますが、PA部を交換しているので10Wだと5-6A程度流れるようです。
出力の調整は、RFユニットのVR03 (VR1003)とVR05 (VR1005)で行います。VR05は28MHzのパワーダウン(調整)用で、28MHzはVR03とVR05が影響します。10Wでもいいのですが、どうせならと当初の予定通り、QRP仕様 (CW 5W) にしました。14MHzで調整すると28MHzで少しパワーが落ちましたので、28MHzで最大5Wになるように調整しました。これで各バンド5-6Wとなりました。
青枠がVR03、赤枠がVR05。
白いジャンパー用プラグが50W軽減用。
15A程度で自然空冷の安定化電源を入手したら50Wに戻すかもしれませんが、しばらくはこの状態で運用する予定です。
→その後、50Wに設定しました。
50Wでの消費電流を測って何Aの安定化電源が必要なのか確認してみました。ダミーロードが心もとないので、数秒だけ送信します。恐る恐る短時間でやったので、出力/電流はチラ見でおおよその値で、電流は小数点以下切り上げです。
50W出力の場合は、15-17A程度の電源がよさそうです。
ついでに、最大出力の場合も消費電流を測ってみました。
これなら200W免許が申請できますね。保証認定が通るかどうかわかりませんが。
このあと、出力は最大5Wに調整し直しました。
→その後、50Wに設定しました。
[↑]
ゼネカバ送信のON/OFFはディスプレイユニットのSW03です。これを切り替えて送信禁止にしました。
参考: Modifications for the Yaesu FT-757
[↑]
RFユニットの赤いリレーの近くにあるダイオード2個をカットすれば18/24MHzの送信が可能になります。
JARDで保証してもらいましたが、申請の際、特に改造に関する資料は提出していません。ただし、送信機系統図の発振周波数の表は、「18MHz帯、24.5MHz帯は送信不可」という注釈を削除して、表のカッコ表記を修正しておきました。
参考: FT-757GX 臓器移植 (2016/2/27 JF3DRI)
[↑]
RFユニットのダイオードを1本カットすれば中波帯でRF AMPが使用できるようになります。
赤いリレーの近くに並んでいるダイオードの端、写真では茶色の線の下になっていてわかりにくいのですが、ダイオードが1本、少しずれた位置にあります。このダイオードの足をカットすればOKです。
[↑]
今回入手したFT-757にはマイクが付属していませんでした。PTTの他、UP/DWN/FST、Tone 1/2があって8ピンだから同じだと思っていましたが、昔のMH-1B8と現行のMH-31B8では配線が異なっていました。互換品(改造品)が販売されていますが、MH-31B8をMH-1B8仕様に改造されている方がいらっしゃいましたので参考にさせていただきました。
また、MH-1B8とMH-31A8Jの回路/配線図がこちらにありました。
これらのサイトを参考にしつつ、若干試行錯誤しながら改造した結果が以下の画像です。画像をクリックすると大きく表示します。
赤丸が配線(A-A'からD-D'の4本)、赤線(X 4箇所)がパターンカットです。A-A'の配線は、画像では向こう側にまわっていて見えません。コネクタ部のB'は下側の左から2番目、D'は下側の右端です。(ふたを閉じるときに、線がトーン切替スイッチの右側のネジの上に重なってしまったようでつぶれています…)
これで、PTT/UP/DWN/FSTが有効になりました。トーン切替(1=フラット、2=低音減衰)も有効です。
[↑]
CWフィルター(XF-8.2M-601; 600Hz)を入手しましたので、早速取り付けてみました。最初のFT-757にはCWフィルターを入れておらず、代わりにDAIWA AF-606Kというアクティブフィルターを使っていました。その後、1997年12月に八重洲無線に問い合わせたところ既に入手不可となっていましたので、FT-757のCWフィルターを使うのは初めてです。
取り付けは取扱説明書の通り、フィルターを半田付けして、ジャンパープラグを挿しかえるだけですが、線の束が結構作業の邪魔になりました。
[↑]
以前使っていたFT-757SXはDRIVEでSSBの出力を調整できるようにしていました。といっても「できる」というだけで、SSB運用時は常にMaxでしたが。改造方法は忘れてしまいましたので検索しましたら、PA0FRIのページがヒットしました。
RESTAURATION AND MODIFICATION OF YAESU FT-757GX AND FC-757AT
ここの「OUPUT POWER CONTROL IN SSB」です。RFユニットのQ38とQ39の間にある抵抗のリードをカットします。フロントパネル側を上にして、左上のネジの近くにあります。
ただ、CWと同じ出力になるわけではありませんので、使い勝手はよくないと思います。結局SSBでは常にMaxの位置で使うことになりそうです。
[↑]
周波数表示が300Hzほどずれていましたので調整しました
参考: The FT757 lives again (2011/01/19 VK3ZPF)
1)- Disconnect the antenna.
2)- Push the MARKER switch on.
3)- Select MODE SSB
4)- With the VFO knob and the microphone Up and Down buttons select 7101.00 kHz.
5)- While moving between 7100.99 kHz and 7101.00 kHz with the microphone buttons, adjust VR2014 in the LOCAL Unit until you determine by ear a difference of 10 Hz.
6)- Push the MARKER switch off.
7)- Input a known RF frequency into the antenna and adjust TC2006 in the LOCAL Unit until zero beat. This is easily done with a good pair of earphones, not with the included speaker.
8)- Continue using your FT-757 GX for the next 25 years.
[↑]
FC-757ATでチューニングできない場合がありましたので、勢い余ってFC-700も入手しました。
チューニング自体は問題なかったのですが、パワーメーターが15Wレンジも150Wレンジもかなり低めを指す状態でしたので調整しました。左がVR502で150Wレンジ、右がVR501で15Wレンジの調整用VRです。
パワー計はDIAMOND SX-200を使い、これと同じぐらいの出力を指すように調整しました。100W/10Wで調整すべきだと思いますが、FT-757SXは50W、TS-430Vは5Wに設定していますので、50W/5Wの目盛りで調整しました。15Wレンジでは、10W、15Wはちょっと高めを指すようになりましたが、意図した出力よりオーバーするよりはいいので、これでよしとしました。
→後日、もう1台FC-700を入手しまして、こちらも50W/5Wで調整しようとしましたが、SWR SETでメーターが右端まで振れなくなってしまいましたので、100W/10Wで調整しました。
[↑]
FT-757には"VFO A=B"のボタンがありません。スプリット運用の際にものすごく不便ですが、以下の手順でVFO A=Bと同等の結果になります。
10W機ではAMの出力は2.5W、100W機では25Wと、最大出力の1/4ですが、50W機を最大5Wに調整した状態では、リアのAM CARで2W程度に調整した上で、DRIVEで1W程度、MIC GAINはALCメーターが動かない程度(8-9時)にするといいように感じます。
[↑]